▶称名寺の浄土式庭園
平安時代から鎌倉時代にかけて作られた庭園で、極楽浄土の世界を再現しようと作られたものだそうです。仁王門から入って、赤い橋を渡ると阿弥陀堂があります。
称名寺は、1258年に北条実時が建てた持仏堂がはじまりと言われており、金沢北条氏の菩提寺であるとともに、学問寺としても大いに栄えました。学問を好んだ北条実時が火災から貴重な文書や書籍を守るために書庫「金沢文庫」を建てたと言われています。
「金沢文庫」は、現在は「神奈川県立金沢文庫」の名称で歴史博物館となっており、様々な所蔵品を保管して展示しています。
阿弥陀さまは、無限の光といのちのはたらきを備えていると言われています。この浄土式庭園は、お浄土のイメージを具現化したものだと思います。夕方でしたのでちょうど西の空に太陽が沈むところでした。昔の人も、この太陽の運行を見ながら西の方にお浄土があると考えていたのではないかと思います。西日に照らされた赤い太鼓橋が池に映って、まさにお浄土を思わせるキレイな景色に出会うことができました。(廣瀬隆夫)