▶防災減災推進研修会の報告(かながわ311ネットワーク)(2020/07/16)

首記の研修会に参加しましたのでご報告いたします。内容の濃い研修会でした。前半はかながわ311ネットワークの防災の専門家の方から基礎知識を座学で教えていただきました。関東大震災から90年以上経っており、地震は70年周期と言われていますので、いつ来てもおかしくない状況ということをお聞きし背筋が寒くなる思いがしました。何もない平時のときに被災した時どうなる、何を準備しておいたら良いかを考えておく必要があるというお話は目からうろこでした。

後半は、3グループに分かれてDIGというワークを行いました。これは、Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字をとったもので、大きな地図を机の上において、そこに危険な地域を色分けしていくというものです。ビニールシートを何枚か用意してそこにマジックで塗っていくという作業をしました。実際にやってみると自分の家の近くが危険地域に入っているなど、ちょっと怖くなりました。

最後に、まとめで自主災害計画の作成の必要性をお聞きしました。今まで、他人事と考えていた人も、実際の危険を目の当たりにして、危機感と自覚が醸成されたと思いました。自主災害計画の作成に向けてたいへんに有意義な研修であったと思います。かながわ311のみなさん、ありがとうございました。(大道町内会 防災委員 廣瀬)

・場所:大道集会所
・主催:防災プロジェクト
・参加者:防災プロジェクトメンバー、防災委員 (15名)、横浜市総務局危機管理室地域防災課(2名)
・説明者:かながわ311ネットワーク(米田さん、谷本さん、石田さん)

<アジェンダ>
1)講義1(35分)13時30分開始
・金沢区大道町の地域特性
・大規模地震発生時の住宅被害
・地震に対する住民各自の備え、地域の備え
2)講義2(45分)
・地域における防災対策と課題
・大規模災害時の防災活動
・地域防災拠点との連携
<休憩>(10分)
3)グループワーク(85分)
DIG(Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)) 地域の地図を用いたグループワーク
・町内会の地図を使い、防災の課題を確認する
・地域の地図を使い、地域防災拠点との連携課題を確認する
<補足> 風水害対策
4)まとめ(5分)16時30分終了
・自主防災計画の作成

<< 早急に準備が必要なこと >>
※災害が起きた時に備えて町内会の対応が必要です。
※自助共助公助の考え方が重要です。
1.被災時の対応計画の作成
・防災時の組織の策定
・責任者、メンバーの位置づけの明確化
・初動対応の指針
・地域防災拠点との関係、居住者との関係の明確化
・役割分担の明確化
2.規約の作成
・明文化による継続性
・連合町内会、地域防災拠点、行政との連携
3.行動マニュアルの作成
・権限移譲のルール化
・判断基準、必要機能、優先順位
4.修復、復旧支援体制の確立
・行政との連携、公的支援策等の変化を把握
5.住民の啓発
・定期的な啓発活動と防災訓練

<講演のポイント>
■ 地震はいつ来てもおかしくない
※何で来ないのか不思議なくらい。
・1703年(元禄16年) 元禄小田原地震 M8.1
(79年)
・1782年(天明2年) 天明小田原地震 M7.3
(71年)
・1853年(嘉永5年) 嘉永小田原地震 M6.5
(70年)
・1923年(大正12年) 関東大地震 M8.3
(97年)
・2020年(令和2年) 

■ 将来30年間で、あなたが災害に遭遇する確率
※日本にいる限り台風と地震からは逃れられない。
・自宅を台風が通過:100%
・震度5弱の地震:99%
・震度5強の地震:98%
・震度6弱の地震:79%
・震度6強の地震:33%
・交通事故で負傷:24%
・自宅が火災:1.9%
・大雨で被災:0.5%
・台風で被災:0.48%
・交通事故で死亡:0.2%
・飛行機事故で死亡:0.002%

■ 震度6強クラスの地震が発生した場合のライフラインの被害想定
※被災して1週間〜1ヶ月は、普通の生活はできないと覚悟しておいたほうが良い。
1.電気 1週間後 明りがつかない、電気製品が使えない
2.通信 2週間後 電話、インターネットに繋がりにくい
3.都市ガス 1~2ヶ月後 風呂に入れない 料理ができない
4.上水道 1ヶ月以上 水が出ない、トイレが流せない
5.下水道 1ヶ月以上 風呂に入れない 料理ができない
6.ごみ収集 1週間後以降 生ゴミ優先、被災ゴミは1ヶ月後
7.エレベーター 数ヶ月以上 故障の場合使えない
余震の危険がある間は使えない、停電期間は動かない、閉じ込め発生も

■ 被災して3日間生き延びるために必要なもの
※最低限、これがあれば生き延びることができる。トイレというのは盲点でした。
1.トイレ(携帯トイレ)
2.寝る所(寝袋)
3.食事と水(井戸、ペットボトル、カンパン、缶詰など)

■ 平時の事前準備
※何もない平和な時に災害が起きた時のことを考えておく。
・町歩きの実施
(備蓄品の保管場所·いっとき避難場所·ゴミ置き場·路地の安全·ブロック塀を確認)
・備蓄品点検と保管場所の下見
(どこに何があるかを知らないと始まらない)
・安否確認の方法
(災害用伝言ダイヤル(171)を利用した町内会の情報共有訓練、地域防災拠点と町内会の通話訓練 etc)
・こんなときどうする?みんなで考えておく
(防災プロジェクトの会議で実践)
・所有防災機材を使ってみる
(めったに使わないので錆び付いていて使えない時がある)

■ 住宅における風水害対策
※家の周りを点検しておく。
・強風に対する備え ・・・落下、飛来物対策
・豪雨に対する備え ・・・ベランダ·庭の排水対策
・敷地内や近隣の土砂災害防止確認 ・・・危険が有れば、区に事前相談を
・地下室や外置きの機器類への防水対策
(内水氾濫)大雨で下水道管や水路がいっぱいになり、 マンホールや雨水ますなどから水があふれること

■ 住宅における風水害対策
※避難は、やみくもに避難所に行くことではなく、難を避けること、行くタイミングが重要

■ 防災のために必要なこと
※災害が起きた時に備えて町内会の対応が必要。自助共助公助の考え方が重要。
1.防災組織を作る
・町内会との関係、居住者との関係
・責任者、メンバーの位置づけ
2.組織規約、防災計画の策定
・明文化による継続性
・役割の明確化
・連合町内会、地域防災拠点、行政との事前連携
3.発災時の行動マニュアルの作成
・権限移譲のルール化
・判断基準、必要機能、優先順位
4.修復、復旧支援体制の確立
・行政との連携、公的支援策等の変化を把握
5.住民の啓発
・定期的な啓発活動と防災訓練

▶防災減災推進研修会の報告(かながわ311ネットワーク)(2020/07/16)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 佐藤邦彦 より:

    一部文字の修正箇所があります。
    講演のポイントの中で、
    1、被災して3日間
    2、平時の時の事前準備
    3、町内会の情報共有訓練
    以上です。簡潔な文章で読みやすい内容でした。

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