▶二宮金次郎像と日本ブラジル友好の木
六浦駅の近くの六浦白梅公園では、春になると黄色い珍しいイペの木の花が咲きます。このあまり聞き慣れないイペの木にまつわるお話をご紹介します。(廣瀬)
この六浦白梅公園には、白梅保育園がありました。大道でも、この保育園に通っていた人がおられるのではないでしょうか。そこには二宮金次郎像が建っていました。白梅保育園の創立者で園長の小泉金助さんが小田原のご出身ということで、この像を建てられたのだと思います。白梅保育園は1996(平成8)年に廃園になりました。その時、園長は小田原城の近くにある報徳博物館を運営する(財)報徳福運社に、その像を寄贈しました。
この二宮金次郎像は、2009(平成21)年に日本人ブラジル移民100周年を記念して、(財)報徳福運社からブラジルに渡りました。そのお返しに、ブラジルの神奈川県人会から、日本・ブラジル友好の木として贈られたのが、このイペの木です。
普段は青い葉を茂らせているだけの木ですが、毎年春になると目が覚めるような黄色い花を咲かせて、公園で休む人たちを楽しませてくれています。この花を見ると、100年以上前にブラジルに移民した人たちがどんな決意で海を渡ったのか、その子孫たちが日本のことを忘れずに今でも心の支えとして二宮金次郎像を大切に守っていることなどが脳裏に去来して胸が熱くなります。
4月いっぱいは、黄色いきれいな花を見ることができます。みなさんも、六浦白梅公園に立ち寄って、この花を見たら日本とブラジルとの深い友好について思い出してください。ブラジルのコロナ禍が一刻も早く収束することを願っています。(7月10日)
参考:六浦白梅公園愛護会説明板(2020年4月22日撮影)